~ほんとのあらだきとは~
「あらだき」とは「あら煮」ともよばれ、
魚のあら(頭、身のついた中骨、かま)などを、
みりん、しょうゆ、砂糖など調味料を合わせて煮立てた中へ入れ、
照りよく煮上げた料理です。
ご家庭でも作られることがあると思いますが、
最近はなかなかご自宅で魚をさばく事も少なくなっている
でしょうから、昔ほどはなじみがないかもしれませんね。
朝菜夕魚の「あらだき」に「ほんとの」と付けているのには 秘密があります。
普通ご自宅でされる場合や一般の飲食店でも「あらだき」に使われている魚はだいたい1種類。
タイやブリなどがほとんどでしょう。
ところが朝菜夕魚では毎日お店でいろいろな種類の刺身をお出ししていて、
当然お店でさばいているので、色々な種類の魚の「あら」が出ます。
さらにお店の道をはさんだ同じはつしろグループのお店からも「あら」をもらうこともあります。
そうして集まったいろいろな種類の魚のあらをいっしょに炊く(=煮る)ことで
魚の旨味が凝縮され、奥深い味わいになります。
これが昔から伝わる漁師料理の「あらだき」の本当の魅力なんです。
おかげさまで、「家では真似できないね」「ここのあらだきは日本一だね」と言ってくださる
お客様もいらっしゃるほどの人気メニューになり、「ほんとのあらだき」を目当てにご来店される方も。
毎日愛情こめて作っています。料理長自慢の「ほんとのあらだき」、ぜひ一度味わってみてください。
~「ほんとのあらだき」ができるまで~
①まず魚をさばきます。これはヒラスです。ヒラマサとも呼ばれブリより少し高級な魚です。 | ②魚をぶつ切りにします。「叩く」ように切るので「魚をたたく」とも言います。ヒレやウロコが危ないので手袋をしての仕込みです。豪快な料理です。 | ③食べやすい大きさに切りながら、丁寧にうろこ、血合いをとります。中骨も全部入れて炊くのが朝菜夕魚流。 |
④大きな魚のあらがあっと言う間に小さくなりました。これから少し塩を振って沸騰したお湯にくぐらせます。そうすることで臭みや血合いを取り除きます。その後、氷水に打ち上げて下ごしらえは完了です。 | ⑤炊く(=煮る)のは注文を受けてからです。なぜなら前もって煮てしまうと、味がしみ込みすぎて辛くなり、色も黒くなってしまうからです。臭みをとるためにショウガといっしょに炊きます。 | ⑥落とし蓋をして約15分で出来上がり。最後にネギをのせます。 |
あらは大きめの鍋で一度沸騰したお湯にくぐらせる。
そうすることで臭みや血合いがとれます。
生のごぼうを下に敷くと魚に味がしみ込みすぎず、丁度良い味になります。
ショウガは気持ち多めに。鷹の爪なども少し入れると良いです。
出来上がりの味がどうなるかを見極める事が大切です。
最初の味見の時点では醤油は薄く、砂糖の味が勝っていないといけません。
なぜかと言うと、煮詰まった時、砂糖の甘さはそれほど変わらないのですが、
醤油は水分が少なくなると辛くなるためです。